【FTXの破産騒動まとめ】FTXJapanは?お金は返ってくる?

FTXが2022/11/11に破産申請をしました。
被害総額は600億円規模(7兆円ほど)とされています。
FTXの破産手続き申請に伴い、
・FTXへお金を預けていた人たちへの影響はどうなるのか
・FTX Japanへの影響はあるのか
・なぜ破産へ繋がったか
について解説していきます。

FTX Japanに日本円・仮想通貨ともに預入していた身として、当事者目線の感想もお伝えします。

FTXの破産は仮想通貨全体に影響を与えました。

何よりもインパクトが大きかったですね。

多くの投資家が資産を0にした今回の騒動をまとめました。

目次

FTXの破産騒動の経緯

まずはFTXの破産までの流れを解説します。
破産までの一連の流れはほんとに一瞬の出来事でした。

前提知識として、FTXは世界第3位の暗号資産取引会社です。
FTXについて(破産前の記事ですので良いこと書いてありますが、概要を掴むためだけに読んでください)
そして、このFTXが発行しているトークンがFTX Token(FTT)です。

FTXは世界第3位の暗号資産取引所、FTTのトークンがFTT
この2つをやんわりと頭に入れたところで続きを見ていきましょう。

FTT

FTTのようなトークンは独自トークンと言います。
トークンは暗号資産の1つで、誰でも発行できるものです。FTXのFTTやバイナンスのBNBなど様々な取引所が独自のトークンを発行しています。

全ての発端、アラメダリサーチの資産状況がリークされる

11月2日にTwitter上でアラメダリサーチの資産状況がリークされます。

アラメダリサーチとは

FTXの子会社であり、さまざまな企業へ投資を行なっていた会社。(日本でいうソフトバンクグループのような会社)

FTX傘下の投資会社なんだなという理解で大丈夫です。

リーク内容は、アラメダの資産のほとんどがFTX Token(以下FTT)であったというものでした。
そして、このFTTを担保にレバレッジを20倍以上かけて他の企業に出資していたというものです。

これがどう問題になるかというと、FTTの価値に依存しているところが危険すぎる!となるわけです。

レバレッジとは、簡単にいうと自分の資産以上のお金を運用できる仕組みのことです。(レバレッジ自体は株やFXなどトレードの世界で一般的に使われているものです)
レバレッジで資産を運用するには一定額の担保があらかじめ必要です。
例えば、私の全資産が100万円だとします。この100万円を証券会社の口座に移します。
すると、100万円の20倍である2000万円相当の取引が可能になります。

上記の例の場合、証券会社の口座に入っている私の100万円が担保となっています。
この場合、2000万円-100万円の1900万円を証券会社から借りている状態です。
お金を借りて取引する、つまり自分が持っていないお金を使っているということです。
トレードに失敗すると2000万円で運用した損失額を支払う必要があり、自分の持っている100万円では払いきれない額になる可能性があるわけです。
(逆に、トレードに成功すると2000万円で運用した利益がお財布に入るわけで、100万円で運用した場合とでは桁違いの利益になります。ここがレバレッジの魅力でもあります)

こういった特徴からレバレッジを何十倍もかけることは危険だとされています。
レバレッジをかけても2〜3倍くらいにしておくべきです。
ですがアラメダリサーチはFTTを担保に20倍以上のレバレッジをかけてFTXから約6000億円のお金を借り入れ、身の丈以上の投資を行なっていたことが明らかになりました。

このリークにより、6000億も借り入れしないといけないアラメダ大丈夫なの?そんなアラメダに6000億も貸しているFTX大丈夫なの?という雰囲気になりました。

バイナンスのCEOであるCZ氏がFTTを全て手放すと発言

アラメダリサーチの資産状況がリークされると、世界第一位の暗号資産取引所であるバイナンスのCEOであるCZという人がFTXの資産状況がよろしくないからFTTを全部売るねと言い出します。
バイナンスもFTTを多く保有していたので、これが全て売られてしまうとFTTの価値が暴落することは目に見えていることでした。

このCZのアナウンスによりクジラと呼ばれる仮想通貨のお金持ちを含め多くの投資家がFTTを売りはじめました。そもそもFTXに資産を置いておくのはなんかヤバそうだとしてFTXからお金を引き出す人も多く現れました。

これによってFTTは本当に80%以上暴落しました。アラメダは純資産の大半を占めるFTTが暴落したことにより負債だらけになりました。また、FTX自体もお金を引き出されることにより保有資産がみるみる減っていきました。

FTXをはじめ、銀行や証券会社などの金融業は顧客の預け入れ額の一部を運用して利益を得るビジネスモデルです。私たちの預け入れてあるお金がむこうの資産運用に使われているわけです。例えば私とあなたが100万円ずつ銀行口座に入れている場合、銀行は200万円保有しているわけですが、このうち50万円を資産運用に回します。すると銀行の手元にあるのは150万円になります。わたしとあなたが

同時に100万円を返せといっても銀行には150万円しかないので200万円の出金には応じられません。このまま銀行が破産するとこの50万円分は返せないので残った150万円からわたしとあなたにお金が還元される事になります。金融業はどれもこんなビジネスをしているのですが、顧客の資産はある程度残しておいたり、レバレッジをかけなかったりして健全なバランスシートになっています。

ですが、今回のFTXの件では、FTXが顧客の資産を好き放題に使いまくっており、それがリークされた形です。そんな中、FTXが出金を停止したものですから、FTXの利用者は大パニックが起こりました。FTXはついにやばい、早くお金を引き出さないとという雰囲気がさらに広がります。

FTXの負債が膨らみ続け破産

顧客への出金を停止してもFTTの価格は下がり続けました。アラメダの負債が膨らんでいくことを意味します。また、FTXへの不信感はMAXになり、みんないち早くお金を引き出したい状態です。

膨らんでいくアラメダの負債はFTXでは手に負えないレベルになっており、FTXのCEOのSBFという人はバイナンスのCZをはじめいろんな人にお金がない!助けて!と声をかけます。はじめはバイナンスがFTXを買収する流れになりかけたのですが、結局負債が想像以上にやばいと判断されこの話はなくなりました。結局誰にも助けてもらえず、FTXは11月11日に破産申請をしました。アラメダのリークをされてから9日間の出来事でした。

簡単にまとめると、
1.FTXは顧客の資産をはちゃめちゃな使い方をしてお金を稼いでいた
2.それがバレて顧客がFTXからお金を下ろす
3.同時にFTTが暴落する
4.FTXは借金だらけになり破産
という流れです。

FTXからお金は返ってくるのか

FTXが申請した破産手続きはチャプター11と呼ばれるものです。アメリカの破産手続きで代表的なものはチャプター11とチャプター7があります。

チャプター7/チャプター11

アメリカの破産手続きで代表的な2つです。

チャプター7
Chapter7は日本の破産手続きと似ています。原則として全ての資産が売却され債権者に配当されます(清算型)。
一回全てをチャラにして債権者へ少しでもお金を返す方法です。

チャプター11
Chapter11は日本の民事再生手続に似ており、再建型です。英語ではReorganization bankruptcyとかRehabilitation bankruptcyと言われます。
申立ては、個人、会社、事業者がその収入等に関係なくできますが、手続きが複雑で費用も高いことから一般に個人でなく会社が利用するケースが多い状況です。アメリカの著名な会社の倒産が報道されるときは大抵Chapter11です。
日本の民事再生と同様、会社、事業者が再生計画に関与し、債務返済の条件変更について自ら債権者と協議等することになります。
要するに、これからもっかいがんばります!債務の返済はまた教えるね!というケースです。

FTXはチャプター11で、段階的な再建を目指します。CEOのSBFは代表を辞任し、社員も次々とリストラされていっています。再建を進めつつ段階的に債権者にお金を返していく方針です。

FTXにお金を預けていた債権者たちはこれからのFTXの対応を待つしかできません。有識者の中では、FTXから預入資産を回収することはほぼ不可能だという見方が強いようです。

FTX Japanからお金は返ってくるのか

日本人の私たちに1番影響があるのはFTX Japanです。私もFTX Japanにお金を預けていました。

FTX Japanのアナウンスによると、FTX Japanの顧客資産はコールドウォレットにて分散管理されており、安全であるとされています。これは日本円だけでなく暗号資産も含めて安全だと言っています。その上で、親会社であるFTXの出金停止に従ってFTX Japanも出金を停止しているが、出金が開始されたら順次顧客へ出金する、とのことです。

本当かはわかりませんが、この言葉を信じて待つしかなさそうです。実は日本の金融業は金融庁のルールがあり、顧客の資産は分散管理により安全に管理しなければならないとなっています。FTX Japanはこれに従っていた可能性が高いです。こうなると金融庁グッジョブですね。

アメリカではこのようなルールがないので、顧客の資産もガンガン運用できてしまうため、FTX USからの返金は絶望的となっています。

仮想通貨が軒並み暴落し冬の時代へ

FTXの破産によって仮想通貨が全体的に暴落しています。仮想通貨は冬の時代と言われています。それほどまでにFTXの破産は衝撃的であり、影響力があるものでした。仮想通貨の市場はでは過去にLUNAやTERAといった会社が同じ感じで破産した過去がありますが、FTXはレベルが違いました。世界第3位の取引所ということで、仮想通貨そのものへの信頼が薄れてしまったと考えられます。

ビットコインをはじめ、多くの仮想通貨が30%ほど下落しました。
リーマンショック並とも評されています。
こういった下落相場は投資家からすると買い場なのもまた事実です。仮想通貨の将来性を信じている人はチャンスの到来かもしれません。

仮想通貨の将来性と今後について

FTXの破産騒動はこれまで築き上げてきた仮想通貨の信頼性を無にするほどのものです。仮想通貨への不信感はかなり高まりました。こんなことがあっては、やはり仮想通貨は危険だ!となりますよね。

仮想通貨の冬の時代は長くなると思います。2022年はもともと仮想通貨が冬の時代と言われている年であり、ビットコインをはじめ様々な通貨の価格が下落傾向にありました。そこにこのFTXショックです。

しかし仮想通貨がもう終わりなのかと言われれば、私は違うと思います。今回の騒動は仮想通貨がダメだったというものではなく、FTXが既存の金融業をうまく遂行できなかったことで引き起こされました。レバレッジにより多額の負債を抱えて投資を行うというタブーを行っていたわけですから。

仮想通貨自体の利便性は逆に証明されたとさえ思います。FTXから出金停止が出される直前まで、多額の仮想通貨が出金されておりましたが、エラーなく送金されていました。仮想通貨の機能自体は完璧だったわけで、今回の取引所の問題とは分けて考えるべきです。

私は仮想通貨の技術と将来性が気に入り仮想通貨の世界に入りました。分散型の世界の持つ可能性はこらから花開きます。現状の取引所システムは分散型の仮想通貨を集権的な場所で扱うという矛盾があり、ここが今回の件で明らかになりました。分散型の取引所の発展が急務だと感じます。分散型の取引所にて仮想通貨を誰でも買える日がくれば、再度仮想通貨に目が向けられるでしょう。

FTX破産騒動まとめ

FTXの破産によって7兆円にものぼる被害がありました。仮想通貨で億り人になった人の中で、資産が0になった人も多くいます。FTX Japanはお金が帰ってくる可能性はありますがその真偽はまだ不明です。

アラメダリサーチのリークに始まり、9日後にはFTXが破産しました。原因はFTTを担保とした高レバレッジがばれてしまい信頼を失ったことです。金融業は信頼性がなくなれば一瞬ですからね。

私もFTX Japanに資産を置いていた身として、右に左に振り回されました。アラメダのリークの時点でお金を引き出しておけば!と何度も思いました。これも一つの学びとして前に進むしかありません。これからの仮想通貨に期待しています。

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